令和元年度「福祉教育のススメ」拡大研究会レポート
令和元年(2019年)9月2日(月)、18日(水)に「福祉教育のススメ」拡大研究会を同内容で2回開催いたしました。
講師に大阪教育大学の新崎先生をお呼びし、ご参加いただいた計92名の方々と福祉教育とは何かを楽しく学ぶことができました。
※研修内容は両日とも同じですが、上記資料に関してはA日程(9月2日)にお配りしたものに追加したページがあるため、B日程(9月18日)の資料を掲載しております。
山岸かあさんの「アイスブレイク講座」 (資料P1~3)

山岸 久美子 氏 (安曇野市社会福祉協議会)
“おとしどころ”をしっかりと確認しながら、様々な場で活かせるよう実践しながら解説していただきました。



「学校・地域・家庭の協働による地域共生社会の実現をめざした福祉教育」
(資料P4~54)

新崎 国広 氏 (大阪教育大学 教育学部 教育協働学科 教授)
1978年、肢体不自由児施設にてソーシャルワーカー兼ボランティアコーディネーターとして従事。
働きながら社会福祉士資格取得、大阪教育大学大学院修士課程修了。
2003年より大阪教育大学准教授、2017年より同大学教授
~内容の一部をご紹介します!~

・「学びとは、出会いと対話によって深められる。」(佐藤学 学習院大学文化部特任教授・東京大学名誉教授)
住民との対話や住民会議もすべて学び。
3つの学び①他者との出会い②書籍との出会い③自分自身との出会い(省察)
体験だけでは学びにならない。後で振り返る(省察)ことで学びが深まる。
・今、福祉は4つの構造からなっている。(図1)

Ⅳについて:福祉に対して無関心・無認識・偏見を持っている人がたくさんいる。その人たちに正しく理解をしてもらい、地域の主体形成になってもらう(ⅣからⅢへ)のが社協の役割。
これほど全ての事業を担っている組織は行政か社協のみ。社協は「福祉のデパート」。
社協は総合性が売り(強み)。ただ、社協職員が「自分は○○の担当」という認識でいるために社協の総合性を活かしきれていないことが大きな問題点である。
NPOや福祉施設は専門店。それぞれの専門店と1つ1つ(高齢者の外出支援、子どもの居場所づくり等)で勝負しても社協に勝ち目はないが、各部署が一緒に地域をよくしようとしたら専門店よりも強い。
福祉教育と言わない福祉教育(ex.認知症サポーター養成講座、地域ケア会議 等)で学びを広げていくことが社協の総合性を活かした福祉教育。つまり、地域の中での学び合いや共感してくれる人がどれだけ協力してくれるかが重要。
・「お節介」と聞くと、悪いイメージがある。理由は「福祉=憲法第25条」のイメージが強すぎるから。権利としての福祉、専門職がやるもの、という認識が地域のなかにある。
今まで福祉は専門職・行政がやりますと強調してきたことにより、社会保障制度が充実し、長生きできる国になったが、それに伴って福祉への無関心、専門職依存が深刻化した。
「お節介」とは「節度のある介(なかだち)」。なかだち=コーディネート。
いい意味での「お節介さん」は、目配り・気配り・心配りができて、他人の困りごとを放っておけない人。そんな人を地域の中で増やしていくことが福祉教育・地域福祉の大切なこと。
・学校での福祉教育は主に車いす体験、高齢者疑似体験等で終わってしまっている。体験型のプログラムや疑似体験は障がい者の生きづらさを理解するには適しているが、副作用(短所)が多い。

学生に「福祉教育を受けたことある?」と聞くと誰も手を挙げないが、「車いす体験やアイマスク体験したことある?」と聞き方を変えるとほとんどの学生が手を挙げる。やった経験はあるが、何のためにやったのかが腑に落ちていないため、「楽しかった」「大変だった」で終わってしまう。
「わかる」「納得する」「腑に落ちる」ことが大切。



アイスブレイクを用いながら楽しくわかりやすく福祉教育の基本についてお話いただきました!
グループディスカッション (資料P55)

模造紙を4つに区切り、①学び・気づき(必須) ②現状 ③悩み・意見 ④質問 をグループごとに書き込んでいただきました。
悩み・意見、質問では、
・学校とどう連携するか
・企業や地域への福祉教育アプローチ方法
・疑似体験以外のプログラムをどうつくるか
・プログラムの落としどころ
・プログラムがマンネリ化しているが、新しいプログラムは思いつかない(ネタがない)
・体験プログラム1回だけで終わってしまう
などが多く挙がっていました。






トークセッション (資料P56)
コメンテーター:新崎 国広 氏 (再掲)
ファシリテーター:土屋 慎一 氏 (軽井沢町社会福祉協議会)
ファシリテーショングラフィック:山岸 久美子 氏 (再掲)



グループワークで話し合われた内容を共有し、多く出た意見やポイントを土屋氏が整理、新崎先生にまとめのコメントやアドバイスをいただきました。
一日を通して学んだ内容を振り返りながら、疑問が残ったことを再度質問することで、学びを深めることができました!